○八幡市議会基本条例
令和4年3月30日条例第13号
八幡市議会基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第3条―第6条)
第3章 市民と議会の関係(第7条・第8条)
第4章 議会と市長等の関係(第9条)
第5章 議会運営(第10条―第15条)
第6章 議会の機能強化(第16条―第20条)
第7章 議員定数及び議員報酬(第21条・第22条)
第8章 政務活動費(第23条)
第9章 災害対応(第24条)
第10章 最高規範性及び検証(第25条・第26条)
附則
地方分権の進展により、地方自治体における自己決定権の範囲が拡大し、地方議会の役割と責任は重要性を増している。
このような状況の中で、八幡市議会においては、市の意思決定機関として二元代表制の一翼を担う議会が果たすべき役割がより一層重要となっていることを自覚するとともに、市民自治を基本とした真の地方自治の実現のため、開かれた議会を通して市民との協働による市政運営に寄与することが求められている。
そこで八幡市議会は、議会の意義、役割、責務について、議会のあり方や活性化のための協議、検討を重ね、また議会改革に取り組んできた。
議事機関として意思決定の責務を果たすとともに、議会の継続的な改革及び議員のさらなる資質の向上に努め、市民の負託に応えていくことを決意し、ここに八幡市議会の最高規範としてこの条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、二元代表制の下、八幡市議会(以下「議会」という。)の基本理念、議会及び議員の活動原則その他の議会に関する基本的事項を定めることにより、議会がその機能を発揮し、市民自治の理念に基づく市民の負託に応え、もって市政の発展、市民福祉の向上に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 議会は、市民から選挙で選ばれた議員で構成する市の意思決定機関として、その自覚と誇りを持ち、市民自治を基本とした真の地方自治の実現に全力を挙げるものとする。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動の原則)
第3条 議会は、公正性及び透明性を確保し、市民に開かれた議会運営を行うものとする。
2 議会は、議会及び市政について市民との情報共有を図るものとする。
3 議会は、市民の多様な意見を的確に把握し、市政への反映に努めるものとする。
4 議会は、市政に係る調査研究等を通じて、政策の立案及び提言等を行うものとする。
5 議会は、八幡市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)による事務の執行について監視し、評価するものとする。
6 議会は、不断の議会改革に努め、議会機能の向上を図るものとする。
(議員の活動の原則)
第4条 議員は、市民の代表たる議員として高い倫理的義務が課せられていることを自覚し、良心、責任感及び品位を持って行動するものとする。
2 議員は、議会の構成員として、市政全般について市民の意見を的確に把握するとともに、市民全体の福祉の向上及び市勢の発展を目指すものとする。
3 議員は、自己の資質を高めるため、不断の研鑽に努めるものとする。
(議長の責務)
第5条 議長は、議会を代表する立場として中立かつ公平な議会運営を行うとともに、議会の活性化が図られるよう努めるものとする。
(会派)
第6条 議員は、議会活動を円滑に行うため、政策を中心とした同一の理念を共有し、議員活動を同じくする議員で構成する会派(以下「会派」という。)を結成することができる。
2 会派は、議員の活動を支援するものとする。
3 会派は、政策の立案及び提言並びに議案等の審議のために調査研究を行うものとする。
第3章 市民と議会の関係
(市民参画及び情報公開)
第7条 議会は、議会に関する市民の知る権利を保障するため、別に条例の定めるところにより、議会が保有する情報を原則として公開するものとする。
2 議会は、本会議、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「会議等」という。)を原則として公開するものとする。
3 議会は、会議等以外の会議について、その公開に努めるものとする。
4 議会は、市民が会議等を傍聴しやすい環境の整備に努めるものとする。
5 議会は、広報紙の発行、インターネットの活用その他の周知活動により、議会の視点から市政に係る重要な情報の公表に努めるものとする。
6 議会は、公聴会制度及び参考人制度を必要に応じて活用し、広く市民の意見を聴き、議会の政策形成に反映させるよう努めるものとする。
(請願及び陳情の取扱い)
第8条 議会は、請願を市民からの政策提案として受け止め、適切かつ誠実にこれを審議し、又は審査するものとする。
2 議会は、請願の審議又は審査に当たっては、必要に応じて、請願の提出者又は紹介議員から意見を聴く機会を設けることができる。
3 陳情は、請願の例により審議し、又は審査するものとする。
第4章 議会と市長等の関係
第9条 議会は、市長等との緊張関係を保持するとともに、第3条第5項に定める事務の監視及び評価を適切に行うため、市政に関する情報の透明化を図るよう、市長等に求めるものとする。
第5章 議会運営
(会議運営の原則)
第10条 議会は、公正、効率的で、かつ秩序ある会議運営に努めなければならない。
(質疑及び質問)
第11条 議員は、会議等における質疑及び質問の内容について、その論点及び争点を明確にし、市民に分かりやすいものとなるよう努めるものとする。
2 議員は、一般質問を行うに当たっては、一括方式、一問一答方式又は併用方式のいずれかを選択するものとする。
3 代表質問(定例会において、議員がその所属する会派を代表して行う質問をいう。)及び代表質問が実施される定例会における一般質問は、前項の規定にかかわらず、一括方式にて行うものとする。
4 市長等(これらの補助機関を含む。)は、本会議における議員の質疑及び質問について、当該議員に対し、その主旨を確認することができる。
5 前項の規定は、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会における質疑及び質問について準用する。この場合において、同項中「本会議」とあるのは「常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会」と、「議員」とあるのは「委員」と読み替えるものとする。
6 前各項に関し必要な事項は、別に定める。
(議員間の自由討議)
第12条 議員は、議会が自由な議論を行う場であることを認識しなければならない。
2 議員は、議会の運営及び議案等の審議又は審査において、議員相互の自由な討議により議論を尽くし、議会の意思を決定しなければならない。
3 議員は、議員相互の自由な討議により合意形成し、政策の立案、提言等を積極的に行うよう努めるものとする。
(委員会の活動)
第13条 委員会は、独立性、専門性その他の特性を活かし、専門的かつ具体的な議論により、議案等の審査を行うものとする。
2 委員会は、市民からの要請に応じ、審査の経過等を説明する場を設けることができる。
(専門的知見の活用)
第14条 議会は、議案等の審議の充実、政策の立案及び提言等の強化等に資するため、学識経験を有する者等の専門的知見を積極的に活用するものとする。
(交流及び連携の推進)
第15条 議会は、他の地方公共団体の議会と積極的に交流及び連携を図り、議会活動に反映させるよう努めるものとする。
第6章 議会の機能強化
(議会の議決事件)
第16条 議会は、市民の負託に応える市政運営を実現し、市民福祉の向上及び市の発展のために最も適切な決定を行うことができるよう、議決事件の拡大について検討するものとする。
(予算の確保)
第17条 議会は、議事機関としての機能確保、円滑な議会運営の実現その他この条例の目的を達成するために必要な予算の確保に努めるものとする。
(議会事務局)
第18条 議長は、議員の政策形成を補佐する組織として、議会事務局の調査及び法務事務の充実強化を図るものとする。
2 議長は、前項の充実強化のため、職員の専門的能力の養成を行うものとする。
(議会図書室の充実等)
第19条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室を適正に管理し、運営するとともに、その機能の充実及び活用を図るものとする。
(議員研修の充実)
第20条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実に努めるものとする。
第7章 議員定数及び議員報酬
(議員定数)
第21条 議員の定数は、効率的な議会運営の視点のみならず、市民の代表である議会が、市民の意思を市政へ十分に反映させることが可能となるよう考慮し、定めるものとする。
2 議員の定数は、別に条例で定める。
(議員報酬)
第22条 議会は、議員報酬の額を改定するに当たっては、社会経済情勢、本市の財政状況その他の考慮すべき事情を勘案し、定めなければならない。この場合において、議員報酬の額は、議員の議員活動及び社会生活が保障されるものでなければならない。
2 議員報酬は、別に条例で定める。
第8章 政務活動費
第23条 政務活動費は、政策の立案及び提案、市政に関する調査研究その他の活動に資するために交付する。
2 議会は、政務活動費の使途について公開しなければならない。
3 政務活動費の交付については、別に条例で定める。
第9章 災害対応
(災害発生時における議会の活動)
第24条 議会は、災害から市民の生命、身体及び財産を守り、市民生活の平穏を確保するため、総合的かつ機動的な活動が図られるよう、市長等と協力し、対応するものとする。
2 議会は、大規模災害等における具体的な対応指針を定め、議会及び議員は、その指針に基づき対応するものとする。
第10章 最高規範性及び検証
(最高規範性)
第25条 この条例は、議会についての最高規範であって、議会は、議会に関する他の条例、規則等を解釈し、又は制定し、改正し、若しくは廃止するときは、この条例の趣旨を尊重し、この条例に定める事項との整合を図らなければならない。
(検証)
第26条 議会は、必要に応じて、この条例の目的が達成されているかどうかを検証するものとする。
2 議会は、前項の規定による検証の結果、この条例を含め議会関係条例等の改正が必要と認められる場合は、速やかに適切な措置を講じるものとする。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。