○八幡市太陽光発電設備の設置の規制等に関する条例
令和元年12月25日条例第21号
八幡市太陽光発電設備の設置の規制等に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、太陽光発電設備の設置が自然環境、多面的機能を有する森林が石清水八幡宮の境内と一体となり歴史的風土を形成する男山等の景観及び生活環境等(以下「自然環境等」という。)並びに災害の防止に及ぼす影響に鑑み、その設置に関して必要な規制等を行うことにより、市民の生命及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 太陽光発電設備 太陽光を電気に変換する設備及びその附属設備をいう。ただし、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物の屋上等に設置するものを除く。
(2) 事業 太陽光発電設備を設置(太陽光発電設備の設置に伴う立木竹の伐採並びに切土、盛土及び埋立て等の造成工事を含む。以下同じ。)することをいう。
(3) 特定事業 事業の用に供する土地の区域(以下「事業区域」という。)の面積が500平方メートル以上の事業をいう。
(4) 事業者 事業を実施する者(契約により事業の実施を請け負う者を含む。)をいう。
(事業者の責務)
第3条 事業者は、事業の実施に当たり、関係法令を遵守するとともに、自然環境等の保全及び災害の防止のために必要な措置を講じなければならない。
(土地所有者等の責務)
第4条 土地の所有者、占有者及び管理者は、自然環境等を損ない、又は災害の発生を助長するおそれがある事業を行う事業者に対して、当該土地を使用させることのないよう努めなければならない。
(禁止区域)
第5条 市長は、自然環境等の保全又は災害の防止のため特に必要と認められる区域を禁止区域として指定することができる。
2 事業者は、禁止区域を事業区域に含めてはならない。
(禁止区域の指定)
第6条 前条に規定する禁止区域は、一般国道1号以北の都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条第1項に規定する市街化調整区域であって、宅地造成等規制法の一部を改正する法律(令和4年法律第55号)の規定による改正前の宅地造成等規制法(昭和36年法律第191号)第3条第1項の規定により指定された宅地造成工事規制区域とする。
(抑制区域)
第7条 市長は、自然環境等の保全又は災害の防止のため特に配慮が必要と認められる区域を抑制区域として指定し、事業者に対して当該区域を事業区域に含めないよう求めることができる。
(抑制区域の指定等)
第8条 前条に規定する抑制区域は、次のとおりとする。
(1) 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項に規定する急傾斜地崩壊危険区域
(2) 砂防法(明治30年法律第29号)第2条の規定により指定された土地
(3) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第7条第1項に規定する土砂災害警戒区域及び同法第9条第1項に規定する土砂災害特別警戒区域
2 禁止区域及び抑制区域のいずれにも該当する区域は、禁止区域とする。
(事前協議)
第9条 第11条第1項又は第3項の規定による届出をしようとする者(以下「届出予定者」という。)は、当該届出をする前に、規則で定めるところにより、太陽光発電設備の設置に関する計画(以下「事業計画」という。)について市長と協議しなければならない。
2 市長は、事業計画が他の市町村の区域の自然環境等の保全又は災害の防止に影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、関係する市町村長及び行政機関の長に対し、その旨を通知し、意見を求めることができる。
(周辺住民等への事前周知)
第10条 届出予定者は、当該届出をする前に、特定事業の事業区域の周辺住民等(以下「周辺住民等」という。)に対し説明会を開催する等の方法により事業計画を周知し、その結果を規則で定めるところにより、市長に報告するものとする。
2 届出予定者は、事業計画について周辺住民等の理解を得るよう努めなければならない。
3 周辺住民等は、届出予定者から第1項の説明会の開催の申出等があったときは、適切に対応するものとする。
(特定事業の届出)
第11条 特定事業を実施しようとする者は、当該事業に着工する日の30日前までに事業計画及び前条の周辺住民等への事前周知の状況等を記載した書類を市長に届け出なければならない。
2 事業計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
(1) 事業者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 特定事業の着工予定日及び完了予定日
(3) 事業区域の所在地、面積及び特定事業完了時における土地の形状
(4) 太陽光発電設備の位置、構造及び発電出力
(5) 太陽光発電設備の維持管理計画(特定事業の廃止後において行う措置を含む。)
(6) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
3 第1項の届出をした者は、事業計画に定める事項を変更しようとする場合は、あらかじめ(規則で定める事業計画の事項を変更する場合にあっては、変更後遅滞なく)当該変更後の事業計画を規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。ただし、規則で定める事業計画の事項を変更しようとする場合は、この限りでない。
4 特定事業を実施しようとする者(契約により事業の実施を請け負う者を含む。)は、規則で定める要件を満たす者でなければならない。
(特定事業着工の届出)
第12条 事業者は、特定事業に着工するときは、あらかじめ規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。
(特定事業完了の届出)
第13条 事業者は、特定事業が完了したときは、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。
(特定事業の廃止等)
第14条 事業者は、特定事業を廃止しようとするときは、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号)第11条の規定による廃止の届出の前に、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。
2 市長は、前項の規定による届出があったときは、特定事業を廃止する事業者に対し、事業計画に基づく適正な措置を実施するよう求めるものとする。
(保全義務)
第15条 事業者は、自然環境等の保全上又は災害の防止上の支障が生じないよう、太陽光発電設備及び事業区域を常時安全かつ良好な状態に維持しなければならない。
(報告の徴収)
第16条 市長は、この条例の施行に関し必要な限度において、事業者又は届出予定者(以下「事業者等」という。)に対し、事業に関する報告を求め、又は資料の提出を求めることができる。
(立入調査等)
第17条 市長は、この条例の施行に関し必要な限度において、その職員に事業区域に立ち入らせ、必要な調査をさせ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定による立入調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、これを犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(指導、助言及び勧告)
第18条 市長は、自然環境等の保全、災害の防止その他この条例の施行に関し必要があると認めるときは、事業者等に対して、必要な措置を講ずるよう指導又は助言を行うことができる。
2 市長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、事業者等に対して、期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
(1) 事業者等が、第11条第1項又は第3項の規定による届出を行わず特定事業を実施したとき。
(2) 事業者等が、虚偽の協議等をしたとき。
(3) 事業者が、第12条、第13条若しくは第14条第1項の規定による届出を行わなかったとき又は同条第2項の規定による求めに応じないとき。
(4) 事業者が、太陽光発電設備及び事業区域の適正な維持管理を怠り、事業区域外に被害を与えたとき又は被害を与えるおそれがあるとき。
(5) 事業者等が、第16条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。
(6) 事業者等が、前条第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
(7) 事業が、自然環境等の保全又は災害の防止に重大な影響を及ぼすおそれがあると認めるとき。
(8) 事業者等が、前項の指導又は助言に正当な理由なく従わなかったとき。
(命令)
第19条 市長は、次に掲げる事業者等に対し、事業の停止を命じ、又は相当の期限を定めて、事業に伴う自然環境等の保全又は災害の防止のために必要な措置を講ずることを命ずることができる。
(1) 第5条の規定に違反して事業を実施した事業者
(2) 第11条第1項又は第3項の規定による届出を行わず特定事業を実施した事業者等
(3) 前条第2項の規定による勧告に正当な理由なく従わない事業者等
(公表)
第20条 市長は、第18条第2項の規定による勧告又は前条の規定による命令(以下「命令等」という。)を行ったときは、当該命令等の内容、当該命令等を受けた者の氏名(法人その他の団体にあっては、その名称及び代表者の氏名)その他規則で定める事項を公表することができる。
2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ公表の対象となる者に対して意見を述べる機会を与えなければならない。
(委任)
第21条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第5条から第14条までの規定、第18条第2項第1号及び第3号の規定、第19条第1号及び第2号の規定並びに附則第2項及び第3項の規定は令和2年1月1日から施行する。
(経過措置)
2 令和2年1月1日前に事業に着手した事業者については、第5条から第14条までの規定、第18条第2項第1号及び第3号の規定並びに第19条第1号及び第2号の規定は適用しない。
3 令和2年1月1日から起算して30日を経過する日までの間における第11条第1項の規定の適用については、同項中「当該事業に着工する日の30日前までに」とあるのは、「あらかじめ」とする。
附 則(令和5年3月29日条例第8号)
この条例は、令和5年5月26日から施行する。