茶室「竹隠」
- 茶室「竹隠」
- 茶室の内部
竹隠は、戦後日本を代表する実業家の一人である永野重雄氏の邸宅にあった茶室を、克明に写したものといわれ、永野邸と同じ数寄屋大工、四代目木村清兵衛(1900~1970)によって建てられた茶室です。「竹隠」の名は永野氏からいただいたといいます。
この茶室は、竹の中で最も美しいといわれる金明孟宗竹の傍らに建ち、四畳半の室内からその鮮麗な姿を楽しむことができます。茶室とともに茶の湯の場を構成する庭園を露地といい、飛石・延段・灯籠・蹲踞(つくばい)などが配されます。この茶室では竹も露地の重要な要素の一つとなっています。
通常の躙(にじ)り口に加え、北側には貴人口(きにんぐち)を設け、四畳半茶室としては他には例のない優雅な琵琶床(どこ)を設け、突き上げ窓、連子窓(れんじまど)の配置にも細かい心遣いが払われています。
竹隠では、春(3月~5月)と秋(10月~11月)に「日曜茶席」が行われています。参加には予約は不要です。庭園のチケット窓口または松花堂美術館事務局までお問い合わせください。