八角堂の保存修理工事の状況(平成29年9月時点)
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八角堂の保存修理工事の状況(平成29年9月時点)
八幡市では、平成26年度より史跡石清水八幡宮境内にある八角堂(八幡大芝33番地)の保存修理工事を実施しています。
平成29年9月時点での保存修理工事の状況について紹介します。
基礎工事(平成29年6月~9月)
建物内の床を支える束石(つかいし)を据える位置に穴を掘ります。
この工程を、「根伐り(ねぎり)」と言います。
今回の工事で、多くの束石は、人工的に同じ寸法に加工した石に新調していますが、
いくつかは、もともと使われていた自然石を再利用しています。
すべての束石の上面が、同じ高さに来るように、
機械で計測して、根伐りの深さを調整します。
左:根伐りした部分に砕石を敷きます。
右:砕石を敷いた後、上から叩いて転圧します。
根伐り一つ一つが狭すぎて、転圧用の機械が使用できないため、
「土固め(つちがため)」や「タコ」と呼ばれる木製の道具により、人力で転圧します。
木製の型枠を入れ、束石の下にベースとなるコンクリートを敷きます。
束石を据えます。
束石の周りにある黒い土のようなものは、
セメントに、砂と水を混ぜた、住宅の壁などにも使われる「モルタル」です。
写真はまだモルタルが湿っている状態ですが、乾くと硬化します。
束石の位置がずれないようにするためのもので、
「根巻き(ねまき)」と言います。
束石について
束石は、その多くを人工的に四角く加工した御影石(みかげいし)に新調していますが、
今回の工事の建物解体時まで据えられていた自然石【安山岩(あんざんがん)】もいくつか再利用しています。
これらの石は、八角堂が現在の位置に建てられた際、周辺にあったものか、
遠方からわざわざ石材として採取してきたものかもしれません。
ひょっとしたら、男山の山上にあったときから据えられていたもの・・・もあるかもしれませんね。
すべての束石を据え付け、いよいよ床下の「三和土(たたき)」という工程に移ります。
この敷いている土は・・・
石灰、にがり、砂、土を混ぜたものです。
配合した土を入れて、上から叩いて締めます。
三和土をすることで、この土が床下の湿気を吸収し、乾燥時は吸収した湿気を放出します。
日本建築における伝統技術の一つです。
6センチの厚みで敷いていきます。
床下全面に土を敷き、叩き締めたら、乾燥させて完了となります。
乾燥すると、このように若干白く、硬化します。
以上で今年度の基礎工事は終了です。
来年度の工事で、この上に床を張る工程へと進んでいく予定です。
お問い合わせ
八幡市役所こども未来部文化財課
電話: 075-972-2580 ファックス: 075-972-2588
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