八角堂の保存修理工事の状況(平成30年2月末時点【その2】)
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八幡市では、平成26年度より史跡石清水八幡宮境内にある八角堂(八幡大芝33番地)の保存修理工事を実施しています。
平成30年2月末時点での保存修理工事の状況について、
前号の2月末時点【その1】に引き続き紹介します。
※前号「八角堂の保存修理工事の状況(平成30年2月末時点【その1】)」も、ぜひご覧ください。
屋根工事【露盤・宝珠の据付(2)】(平成30年1月~2月)
露盤(ろばん)・宝珠(ほうじゅ)の据付について、引き続き紹介します。
伏鉢(ふせばち)を据えた上に、首(くび)という瓦を据え、
写真は、最後の宝珠(ほうじゅ)を据えている際のものです。
宝珠は、先端部分だけ分けて作っています。
滑車を使い、両側から職人が位置を確かめながら据えていきます。
宝珠の先端部分を据える前の状態を上から見てみると、、、
軸になる木材の四方に、さらに木材を打ち付け、その木材で内側から支えているのがよくわかります。
上面に鉛(なまり)の板を敷くことで、
4つの木材の高さを揃えています。
【軸の木材に、さらに4つの木材をボルトで固定する様子】
据え付けられた伏鉢、首、宝珠をよく見てみると、それぞれの間にわずかに隙間があるのがわかります。
【左:露盤屋根と伏鉢の間】
【右:伏鉢と首の間】
下から、露盤⇒露盤屋根⇒伏鉢⇒首⇒宝珠と据えていきますが、
それぞれに直接乗せていってしまうと、重量によって割れてしまいます。
なので、瓦を上に、上に、と乗せているように見えますが、
実際には、木材をうまく使って、瓦に直接荷重が掛からないよう工夫しています。
露盤・宝珠がここまで据え付けられました。
残すは、宝珠の先端部のみです。
宝珠の先端部を運ぶ様子
宝珠の先端部
宝珠の先端部を据え付ける様子
宝珠の先端部が据えられた状態
無事、露盤・宝珠の据付が完了しました。
露盤の三つ巴について
【左:屋根を北東側より撮影】
【右:屋根を南東側より撮影】
露盤・宝珠を、場所を変えてよーく見てみると、、、
【左:露盤・宝珠を北西側から撮った写真】
【右:露盤・宝珠を東側から撮った写真】
東側の三つ巴が描かれた露盤2枚のうち、右側の三つ巴の回し方が違います。
露盤は全部で12枚あり、
屋根の面積が狭い、北東、北西、南東、南西の面には、
模様のない(無地の)露盤を1枚ずつ(計4枚)据えています。
屋根の面積が広い、東、西、南、北の面には、
三つ巴の描かれた露盤を2枚ずつ(計8枚)据えています。
この、三つ巴の描かれた路盤8枚のうち、
東面の2枚の向かって右側(北寄り)の露盤だけが、
写真のように三つ巴の回し方が違うのです。
なぜここだけ回し方が違うのか、
はっきりした答えはわかりません。
これで無事、屋根工事は終了しました。
出来上がった屋根を見て、改めて建物の大きさに圧倒されます。
すべての瓦が葺き上がりましたので、
建物を雨から守ってくれた素屋根も不要となります。
素屋根は3月中に解体し、来年度の工事に必要な足場に組み替えます。
お問い合わせ
八幡市役所こども未来部文化財課
電話: 075-972-2580 ファックス: 075-972-2588
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