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あしあと

    八角堂の保存修理工事の状況(平成30年3月末時点)

    • [公開日:]
    • ID:5070

    八幡市では、平成26年度より史跡石清水八幡宮境内にある八角堂(八幡大芝33番地)の保存修理工事を実施しています。
    平成30年3月末時点での保存修理工事の状況について紹介します。

    工事についての過去の記事

    工事についての過去の紹介記事については、以下をご覧ください。
    (注)タイトルをクリックすると過去の紹介記事にリンクします。

    仮設工事【素屋根の解体および組替え】(平成30年2月から3月)

    南東から見た素屋根

    【南東より】

    2月で屋根工事(瓦の葺上げ)が完了しましたので、八角堂の屋根を覆う必要がなくなりました。

    そのため、八角堂を覆う素屋根を約7割解体・撤去し、今後の工事に必要な仮囲いと工作小屋へと組み替えます。

    素屋根を解体する職人

    【左:素屋根を解体する職人さん】

    素屋根上を移動する職人

    【右:素屋根上を移動する職人さん】

    とても高いところでの作業ですが、着々と素屋根が解体されていきます。

    南東から見た素屋根

    【南東より】

    屋根に太陽の光が差しています。

    平成26年度中に素屋根が設置されたので、約3年ぶりに八角堂の屋根が、直接太陽の光を受けました。

    素屋根解体に使用するユニック車

    【左:素屋根解体に使用するユニック車】

    落下防止柵

    【右:落下防止柵】

    解体された素屋根の基幹材は、ユニック車により吊り上げて、下していきます。

    万が一、基幹材が転がっていかないように、落下防止柵も設置しています。

    基幹材を下している様子

    【左:基幹材を下している様子】

    下した基幹材をトラックに積み込む様子

    【右:下した基幹材をトラックに積み込む様子】

    1. 素屋根上で職人さんが基幹材を外す。
    2. 外した基幹材がある程度まとまったら、ユニック車で建物横に下す。
    3. 建物横に基幹材がある程度まとまったら、ユニック車でトラックの荷台手前に下して積み込む。

    このような工程で解体を進めていきます。

    素屋根の外側の南東より撮影した写真

    【左:素屋根の外側の南東より】

    南東から見た素屋根

    【右:南東より】

    屋根を覆っていたトタンは完全に撤去されました。

    東面北側の鬼瓦

    【東面北側の鬼瓦】

    太陽の光が当たると、鬼瓦もまた違う雰囲気が出ますね。

    写真の奥に見えるのは、以前にご紹介した三つの顔を持つ鬼瓦です。

    八角堂西方からの遠景

    【左:八角堂西方からの遠景】

    八角堂西方からの遠景(寄り)

    【右:八角堂西方からの遠景(寄り)】

    上の写真は、八角堂の西、さくら公園東側の道路から撮影したものです。

    素屋根のトタンが外され、骨組みだけとなり、八角堂の屋根が見えるようになりました。

    屋根を覆う部分が撤去された八角堂

    【左:屋根を覆う部分が撤去された八角堂 南東より】

    覆いがなくなり太陽の光を浴びる八角堂屋根

    【右:覆いがなくなり太陽の光を浴びる八角堂屋根】

    トタンに続いて骨組みも撤去され、八角堂の屋根を覆うものは何もなくなりました。

    撮影日は雲一つない快晴。青空の下にきれいになった八角堂の屋根、美しいです。

    この足場も撤去するので、この位置から八角堂を見れるのは、何十年後かに訪れるであろう瓦の葺替え時でしょうか。

    八角堂西方からの遠景

    【八角堂西方からの遠景】

    八角堂西方からの遠景(寄り)

    【八角堂西方からの遠景(寄り)】

    八角堂南方から撮影した写真

    【八角堂南方から】

    遠景でも八角堂の屋根がはっきり見えるようになりました。

    屋根を間近に見ることができなくなるので、ここで八角堂の鬼瓦について、お話しします。

    八角堂の鬼瓦の作者について

    鬼瓦の側面には、作った人が誰かわかるように作者の銘が彫刻されていることがあります。

    側面に作者の銘がある鬼瓦

    【側面に作者の銘がある鬼瓦】

    この鬼瓦にも向かって左側に文字が彫ってあるのがわかります。

    例として、数枚の鬼瓦を紹介します。

    八角堂鬼瓦配置図

    【八角堂鬼瓦配置図】

    上にある「八角堂鬼瓦配置図」ですが、屋根が八角形をしている八角堂には、8つの棟があり、1つの棟に2個ずつ鬼瓦が据えられています。

    軒先にあるのが「一の鬼」、高い位置にあるのが「二の鬼」です。

    例として示すのは、上の配置図の(1)から(3)の鬼瓦についてです。

    東北東の一の鬼

    【(1)東北東の一の鬼】

    北北東の一の鬼

    【(2)北北東の一の鬼】

    北北西の一の鬼

    【(3)北北西の一の鬼】

    上の3つの鬼瓦ですが、

    (1)東北東の一の鬼…「宇治源左衛門」
    (2)北北東の一の鬼…「宇治源左衛門作」
    (3)北北西の一の鬼…「宇治瓦師源左衛門」

    と、側面に彫っている文字は若干違いますが、すべて宇治の瓦師である「源左衛門」さんの作であることがわかります。

    資料によると、この源左衛門という方は、1600年代後半から1700年代前半に京都南部にある寺院の鬼瓦を作っていることがわかっています。

    市内では、正法寺(八幡清水井)、石清水八幡宮の摂社狩尾社(橋本狩尾)のほか、市外でも、宇治市の萬福寺や三室戸寺、京都府伏見区の醍醐寺、枚方市の久修園院にある建造物に彼の作った鬼瓦が使われています。

    ちなみに、

    東北東の二の鬼

    【(4)東北東の二の鬼】

    何度か紹介しております、東北東の二の鬼(鬼瓦配置図(4))、三つの顔がある鬼瓦ですが、これにも、「宇治源左衛門」と銘があり、源左衛門により作られたものであることがわかります。

    今から300年以上も昔に作られた鬼瓦が、今なお残っているのは、人々が大切に残してきた証ですね。

    再び、素屋根の解体に話を戻します。

    素屋根解体が進んだ八角堂

    【左:素屋根解体が進んだ八角堂 南東より】

    屋根工事用の足場撤去後

    【中央:屋根工事用の足場撤去後 南東より】

    素屋根東側、工作小屋へ組替え開始の様子

    【右:素屋根東側 工作小屋へ組替え開始】

    屋根工事のためにあった足場もなくなりました。
    工事中に屋根を間近でみることができましたが、なくなってしまい名残惜しいです。

    素屋根の東側部は、基幹材を組替えて工作小屋へとしていきます。

    太陽の光が差し込む堂内南西

    【左:太陽の光が差し込む堂内南西】

    堂内北西より撮影した写真

    【右:堂内北西より】

    側面の覆いも取り外されたので、堂内にも太陽の光が差し込んできました。

    明るくなった堂内で、昨年度塗り直した朱色がとても際立ち、さらに美しく見えます。

    素屋根組替え後の八角堂

    【左:素屋根組替え後の八角堂 南西より】

    素屋根組替え後の八角堂

    【中央:素屋根組替え後の八角堂 南東より】

    素屋根の一部を工作小屋に組替え後の様子

    【右:素屋根の一部を工作小屋に組替え後】

    素屋根の組替えが完了しました。これで平成29年度の工事はすべて終了です。

    次年度(平成30年度)が工事の最終年度となる予定です。工事がまた再開しましたら、ホームページで紹介します。

    お問い合わせ

    八幡市役所こども未来部文化財課

    電話: 075-972-2580 ファックス: 075-972-2588

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