豊影稲荷関係資料の調査を実施しました
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豊影稲荷は橋本北ノ町にたたずむ稲荷神社です。現代でも橋本地域の方から信仰をうけ、毎年2月には、家内安全、心体健全、商売繁盛を祈願する初午祭が行われています。八幡市文化財課では、この度、豊影稲荷の世話方のお宅に残されていた資料の調査をさせていただきました。
豊影稲荷関係資料
資料の内容は毎年の初午祭に際して作成される、勘定帳や会計簿が多くを占めます。古いものでは、「安政丁巳」(安政4年:1857)や、慶応2年(1866)の年記を持つ、「御神楽順番帳」があり、近世後期から豊影稲荷の存在と、橋本地域の方からの信仰があったことが窺えます。
安政4年の〔御神楽順番帳〕
慶長2年の御神楽順番帳
また、これらの勘定帳や会計簿を見ていくと、地蔵祭や、近隣の人々が集まって一夜を明かす日待講などが行われていたことも見受けられ、今はもう見られなくなった民俗行事が行われていたことが確認できます。昭和7年(1932)から平成5年(1993)まで書き継がれた勘定帳には、その年の初午祭の気候や様子も記録されています。
資料の中には、豊影稲荷の修復や改築に関わる帳簿なども確認でき、大まかな修繕歴を追うことができます。特に大正7年(1918)には「大修繕」とされる大規模な改築が行われており、「御宮ノ新築」「新宮へ正遷宮」と記録されるように、社殿の新築が行われたようです。
「稲荷神社大修繕ニ付総勘定」に見える大正7年の大修繕
これら豊影稲荷関係資料は、すべてひとつの木箱に収められていました。その木箱の蓋裏には、「大正七年二月十五日新調」と墨書があり、大正7年の「大修繕」に伴ってこの木箱が作成され文書が整理されたようです。
木箱蓋裏の墨書
八幡に関わる歴史資料を探しています
今回調査をさせていただいた豊影稲荷関係資料は、豊影稲荷への地域の方の信仰や、今は見られなくなった民俗行事を伝える貴重な資料です。
文化財課では、このような八幡に関する歴史資料の調査を進めています。もし、ご自宅や地域の公会堂・公民館に、古文書や昔の書類、絵図や古い写真などがございましたら、ぜひ文化財課までご連絡ください。
お問い合わせ
八幡市役所こども未来部文化財課
電話: 075-972-2580 ファックス: 075-972-2588
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